ひとりぼっちのおじいちゃま

後期高齢者で身寄りがなくて一人暮らしをしている、おじいちゃんとの交流を綴ったボランティア日記です。

後期高齢者のおじいちゃまと知り合って、身寄りがない高齢者の生活が、どんなに大変か身近に感じるようになりました。出会った頃、孤独死を覚悟していたおじいちゃま。残り少ない人生なのは分かっているけれど、残り少ない人生だからこそ、少しでも楽に、日々の暮らしに楽しさを見出してもらえるよう、手助けできたらいいなと思い交流を始めました。尚、交流記作成にあたって、おじいちゃまの個人的な情報を記載しておりますが、記載の許可は、おじいちゃまにいただいています。

おじいちゃまとの出会い

おじいちゃまとは、2016年3月に出会いました。

ちょうどその頃、Yちゃんと一緒に”とあるボランティア”の真っ只中で、その活動の一環で初めて訪れたのが、おじいちゃまが住むS区でした。

S区には、Yちゃんと交代で365日休みなく、2年以上通っていました。イベントなども含めると1年の半分以上、S区を訪問していた計算になります。大々的にやっているボランティアではなかったので、なるべく御近所さん達にバレないように、ひっそりと活動していました。

それなのに・・・

駅の改札口で待ち伏せしてるんです、おじいちゃま😳当たり障りのない挨拶をして、かわすこと数回。お茶した帰りとか、今からお茶にいくところとか、これから病院なんて言うおじいちゃまに、結構な確率で会うようになりました。

いつもニコニコして話しかけてくるおじいちゃまに根負けして、一緒におじいちゃまのアパートまで並んで歩いたり、会った時は少しだけ話をしたりするようになりました。

まるで(逆)ロミオとジュリエット

おじいちゃまが住んでいるアパートと、S区の活動拠点は、目と鼻の先で、おじいちゃまの部屋の3階の窓から活動場所が良く見えます。私がS区に行く時間を予想して、窓を開けて待っているおじいちゃま。「おはよー」と下から見上げて私が手を振ると、上から手を振り返してくれました。

帰る時間は、まちまちでしたが、どんなに遅い時間になっても、やっぱり窓を開けて待ってくれているおじいちゃま。暑い夏も、寒い冬も、雨の日も、いつも窓を開けて待っていてくれました。「気をつけてねー」「風邪ひかないようにねー」お互いにそんな言葉を交わしながら、2年と少し、小さな交流がはじまりました。