ひとりぼっちのおじいちゃま

後期高齢者で身寄りがなくて一人暮らしをしている、おじいちゃんとの交流を綴ったボランティア日記です。

後期高齢者のおじいちゃまと知り合って、身寄りがない高齢者の生活が、どんなに大変か身近に感じるようになりました。出会った頃、孤独死を覚悟していたおじいちゃま。残り少ない人生なのは分かっているけれど、残り少ない人生だからこそ、少しでも楽に、日々の暮らしに楽しさを見出してもらえるよう、手助けできたらいいなと思い交流を始めました。尚、交流記作成にあたって、おじいちゃまの個人的な情報を記載しておりますが、記載の許可は、おじいちゃまにいただいています。

悩んでいたこと

朝、おじいちゃまから電話がありました。

「これをいったら嫌われるかもしれない」と、なんだか歯切れの悪い、はっきりしない電話です。何度促しても何なのか話してくれないので、もしかして借金の申し込み?!そりゃダメだわーなんて、自分の中の妄想劇場が始まってしまう程でした💦

ストーマ

やっとのこと口を開いてくれたおじいちゃま、なんてことはない、大腸癌の手術をした時、ストーマ人工肛門)をつけたという話でした。

お別れに3人でお茶をしてから、また食事に行こうと何度も誘っていたのに、都合が悪い日ばかりだったのは悩んでいたから。

ストーマであることを告白する人が増えてきたので、軽く知識はありましたが、そこまで悩んでしまうものだとは思ってもいませんでした。

おじいちゃまは、ストーマの処理をする度にシャワーを浴びていると言っていました。自分が臭うかもしれない、汚いと思われるかもしれない、他人にストーマであることを知られないように、かなり気を使っているようでした。

すごく楽しかったから

ずっと一人で生きてきたおじいちゃま。誰かと触れ合う温もりをまだ覚えているかな・・・

3年前、大腸癌の手術をした時、入院中、誰もお見舞いに来てくれなかったと何度も聞きました。手術の際の同意書も、別れた元奥さんに頼んで、渋々サインしてもらったけれど、元奥さんも、娘も面会にきてくれなかったそうです。(注1)

3人で一緒にお茶をした時、すごく楽しかったので、また一緒にお茶をしたり、食事をしたり、遊びにいったりしたいけれど、ストーマであることを告白して嫌われてしまって、二度と電話してもらえなくなるのが怖くて、いい出せなかったんだそうです。

「そんなことで嫌ったりしないよ。」というと、おじいちゃまは心底安心してくれたようでした。「お金貸してくれって言われるのかと思ったよ。借金だけはダメだからね。」と冗談ぽくいうと、おじいちゃまは笑っていました☺️

注1:家族関係は、後に明らかになりますが、おじいちゃまの話にでてくる娘というのは、2番目の奥さんと育てていた血が繋がっていない娘のことでした。