ひとりぼっちのおじいちゃま

後期高齢者で身寄りがなくて一人暮らしをしている、おじいちゃんとの交流を綴ったボランティア日記です。

後期高齢者のおじいちゃまと知り合って、身寄りがない高齢者の生活が、どんなに大変か身近に感じるようになりました。出会った頃、孤独死を覚悟していたおじいちゃま。残り少ない人生なのは分かっているけれど、残り少ない人生だからこそ、少しでも楽に、日々の暮らしに楽しさを見出してもらえるよう、手助けできたらいいなと思い交流を始めました。尚、交流記作成にあたって、おじいちゃまの個人的な情報を記載しておりますが、記載の許可は、おじいちゃまにいただいています。

高齢者だからって甘くない

カフェでYちゃんと3人でお茶をした日から、おじいちゃまと頻繁に電話をするようになりました。

私の携帯電話は、カケホーダイなので、私から掛ける以外にも、おじいちゃまが話したい時にワン切りしてもらって、折り返し掛け直しています。30分から2時間くらい、長い時は3時間、1回の電話で平均1時間半、週に2、3回電話をしています。

そんなに長い時間何を話しているかというと、具合どう?とか、腰が痛いとか、そんな話の繰り返しです。だけど、そんな何気ない会話が、とても嬉しいというのです。

愛がない

定期的に行政から生存確認の電話があるそうですが、あくまで業務の一貫です。おじいちゃまの生活状況とか、形式的な確認はありますが、短い電話と毎回おなじ事しか尋ねてこない電話に、愛が感じられないというおじいちゃま。

きっと、おじいちゃまみたいな人達がたくさんいて、朝から順番に電話していくから、業務的になってしまうんだよと話しても、おじいちゃま的には、今までずっと寂しかった気持ちが、行き場なく押し寄せてくるようでした。

誰も譲ってくれなかった

風邪をひいてきつかったけれど、病院へ行ったというおじいちゃま。片道、バス停まで歩いて20分、バスで25分、そこから病院までまた少し歩きです。杖をついて行ったのに、行きのバスも、帰りのバスも誰も席を譲ってくれなかったそうです🚌

どうして?

誰がみても腰が曲がっていて、杖をついている80才の高齢者ですよ?

冷たいS病院

おじいちゃまが、大腸癌の手術をしたS病院では、外科(癌)と形成外科(腰)の両方にかかっているそうです。

今日行った外科の検査でも、毎回、レントゲンを撮る時に、腰が曲がっていて伸ばせないのを分かっていて「まっすぐしろ」とか、MRIで横になる必要がある時も、同じように叱咤され、台から起き上がれなくて苦しそうにしている時ですら、だれも手を差し伸べてくれないんだそうです。検査が終わっても、そのままの足で帰ることすらできないので、いつも受け付けで少し休んでから帰っていると言っていました。

そんなおじいちゃまだけど、電話を切る時には、必ず、私やYちゃんの事を心配してくれて、ありがとう、無理しないでねとか、Yちゃんにもよろしく伝えてねーと言ってくれます。

自分の体だけでも精一杯辛いはずなのに、思いやりを忘れない優しいおじいちゃまです。おじいちゃまが誰かにかけた思いやりの分だけでも、誰かから思いやりを受けられたら、どんなに良いかと思うのだけど、世の中そう上手くはいかないみたいです😔