ひとりぼっちのおじいちゃま

後期高齢者で身寄りがなくて一人暮らしをしている、おじいちゃんとの交流を綴ったボランティア日記です。

後期高齢者のおじいちゃまと知り合って、身寄りがない高齢者の生活が、どんなに大変か身近に感じるようになりました。出会った頃、孤独死を覚悟していたおじいちゃま。残り少ない人生なのは分かっているけれど、残り少ない人生だからこそ、少しでも楽に、日々の暮らしに楽しさを見出してもらえるよう、手助けできたらいいなと思い交流を始めました。尚、交流記作成にあたって、おじいちゃまの個人的な情報を記載しておりますが、記載の許可は、おじいちゃまにいただいています。

おじいちゃまの家族

天涯孤独だというおじいちゃま。強直性脊椎骨増殖症という病名が判明した日、 いつもより長く3時間くらい電話をしました。

お姉さんだっているじゃない?どうしてそんなこというの?

少し謎が解けました。

1回目の結婚

最初の奥さんとの間に息子と娘がいます。ふたりとも40代くらいだそうです。息子の方は結婚して、孫がいるそうですが、連絡先も住所もわからず音信不通、その後の子供達の消息はわかりません。

奥さんは、重度のアルコール依存症で、近所の寄り合いで酒を飲むと手がつけられなくなったり、自動販売機で酒を買って、その裏で呑んだくれていたり、近所でも有名なアル中だったそうです。離婚の理由は、奥さんのアルコール依存症。その後、風の便りで奥さんが死んだことを知ったそうです。

2回目の結婚

連れ子がいる女性と結婚し、離婚しています。

この時の奥さんは、3人姉妹の長女だったそうですが、他の姉妹たちが、あれこれ口うるさく結婚生活に干渉してきたことが原因で、平成14年?に離婚したそうです。現在、この奥さんが72才くらい。逆算すると、おじいちゃまが63才、奥さんが55才くらいの時に離婚したことになります。

離婚の際、ローンが半分くらい残っていた3000万くらいのマンションを慰謝料としてあげたそうです。ですが残りの1500万が払えず、昨年の12月のローン終了時まで、金の無心をしてきたとのこと。おじいちゃまが残りのローンのほとんどを支払ったみたいです。

ローンが終わった現在も、3日に1回電話をしてきているそうです。パートか何かの仕事にいくついでに、〇〇に着いたと掛けてくるだけといっていました。アパートの緊急連絡先が、この奥さんになっているので、生きているかどうか確認のために掛けているのかな?とも思いましたが、電話にでなくても後から掛けてくるということはないといっていました。

2度目の奥さんと連れ子の関係

つい最近まで金の無心をしてきていた2度目の奥さんですが、連れ子の方も金の無心をしてきていたそうです。

実の母親と子供ですが、刃物を出してきて喧嘩するほどに仲が悪かったそうで、お互いにおじいちゃまに金の無心をしていることは知らず、おじいちゃまも、火に油を注ぐ結果になるから言っていないそうです。

2度目の奥さんがブチ壊した

以前、ラスベガスに旅行に行ったことがあるといってたので、お姉さんとは連絡を取り合っているのかと思っていましたが、お姉さんとも音信不通になっているそうです。年齢を考えると、もう亡くなっているかもしれません。

お姉さんとは、とても仲が良かったそうですが、2度目の奥さんが、おじいちゃまの悪口を、あることないこと吹き込んで、仲難いさせたそうです。連絡先がわかる何かが残っていないか尋ねてみましたが、当時送られてきていた葉書などは全部、2度目の奥さんの元に置いてきたので分からないと言っていました。2度目の奥さんとはまだ連絡を取り合っているので、葉書が残っていればわかるのかもしれません。

アメリカ人と養子縁組

アメリカにいるお姉さんは、アメリカ人と結婚したそうです。

おじいちゃまが若かった当時、アメリカ人と結婚するのに、先にアメリカ人夫婦の養子となった後、アメリカ人として結婚する方法を取る人がいたみたいです。おじいちゃまも、アメリカ国籍にならないか?と、養子縁組の誘いを受けたことがあるそうですが、断ったといっていました。ということは、お姉さんの日本国籍は消滅しているので、お姉さんの今や、その子供や孫達を辿る術はもうないのかもしれません。
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法定相続人

◾️オレンジ色の部分
最初の結婚でできた息子と娘が法定相続人になります。息子の方に孫がいるそうなので、息子と娘が他界していたとしても、孫が相続人となります。

◾️紫色の部分

2回目の結婚で、連れ子を養子にしたといっていっていたので、離婚の際、養子縁組を解消していなければ、連れ子も相続人となります。おじいちゃまの話では、離婚の際に奥さんが、養子縁組を解消すると騒いでいたので解消されていると思うとのことですが、金の無心とはいえ、いまだに連絡してくる2番目の奥さんと連れ子のことを考えると、戸籍を調べてみないと分からないと思います。

◾️緑色の部分
もしオレンジ色と紫色の部分がなかった場合は、おじいちゃまの兄弟姉妹に相続権が移ります。お姉さんはアメリカ人になったので除外されますが、亡くなったお兄さんに子供・孫がいた場合は、その子も相続人になります。また、おじいちゃまの父親が再婚した相手との間にできた子供達にも相続権があります。ただ父親が再婚を繰り返したり、隠し子がいたり、子供がもっといる可能性もあり、父親の年齢から推測するに、今はもう亡くなっているはずなので、全ての相続人を探し出すのは不可能だと思います。

結局どうなるんだろう

いまのアパートの緊急連絡先になっている2度目の奥さん。おじいちゃま曰く、死んだ連絡をしてもなにもしないと宣言しているそうで、ただ死んだという連絡が欲しいだけなのかなとも思います。仲が良かったお姉さんとの関係をブチ壊して、離婚した後も金の無心をしてくるような女と、何故いまだに連絡を取り合っているのか?・・・他に繋がっていられる人が誰もいなかったからなのかな・・・。

おじいちゃまが亡くなった時、行政の方で、息子と娘の居場所を見つけられたとしても、遺品の整理や、アパートやら携帯電話などの解約、医療費の支払いや、お骨の引き取りなどやってくれるかどうか分かりません。

1度目の奥さんがアル中だったことから想像しても、家庭は荒んでいただろうし、家族関係が破綻してしまっているから居場所すら分からない状態なんじゃないかと思います。行政が見つけてくれたとしても、二度と親父には関わりたくない、そういわれてしまうかもしれません。

おじいちゃまが、天涯孤独の身だといっていた背景が、随分わかってきました。