ひとりぼっちのおじいちゃま

後期高齢者で身寄りがなくて一人暮らしをしている、おじいちゃんとの交流を綴ったボランティア日記です。

後期高齢者のおじいちゃまと知り合って、身寄りがない高齢者の生活が、どんなに大変か身近に感じるようになりました。出会った頃、孤独死を覚悟していたおじいちゃま。残り少ない人生なのは分かっているけれど、残り少ない人生だからこそ、少しでも楽に、日々の暮らしに楽しさを見出してもらえるよう、手助けできたらいいなと思い交流を始めました。尚、交流記作成にあたって、おじいちゃまの個人的な情報を記載しておりますが、記載の許可は、おじいちゃまにいただいています。

若かりし頃

明日は、待ちに待った都営住宅の抽選日です。不便な場所にある事故物件にもかかわらず、想定外に応募者が多かったことで落ち込む私に対して、絶対当たると自信満々のおじいちゃま😑夜にはホームページにも結果が掲載されので、水曜日に電話する約束をしました。

おじいちゃまの若かりし頃

電話を掛けた午前中、テレビで西部劇を見ていたおじいちゃま。西部劇は好きなジャンルなんだそうです。ものすごく古い映画だったので、もう亡くなった人達ばかり。懐かしい人達がでてるのねーなんて映画の話をしていると、おじいちゃまの若かりし頃の話題になりました。

なんと、ボディビルをしていたというのです😳

逆三角形の体に憧れたというのがきっかけで始めて、会社の休み時間のたびに筋トレして、バーベルを持ち上げて、本当に逆三角形の体になったんだそうです。

おじいちゃまが勤めていた会社は、有名な某会社で工場がメイン。女子社員が圧倒的に多い会社でした。そんな中、休み時間のたびに、筋トレしながら上半身裸になって筋肉を見せびらかしていたというのですから、相当なものだったと思います💦当然、体を自慢したいので、体を極力隠さないマッチョファッション💪社内報に掲載される程に有名で、会社の運動会でも、野球、バレー、リレーと、あらゆる競技で引っ張りだこだったんだそうです。女子社員にも相当もててたみたいです💝

しばらくそんな話で盛り上がっていたら、不意におじいちゃまが「だから自分自身を許せないんだ」といったので驚いてしまいました。「あの世に逝くのを諦められないんだ」と続けるおじいちゃま。運動がすごく得意で、走るのも自信があった自分が今、腰が痛くて、杖なしでは歩けない状態になってしまったことに、心がついてこないんだそうです。今でも足の筋肉はあるし、腰さえ痛くなければ、どれだけでも歩ける自信があると、悔しそうに言います。

高齢者が集まるところに行きたがらないのは、あの頃に戻りたいという気持ちと、自分はまだ違うと現実を受け入れたくない気持ちがあるからだと言っていました。今まで、色んな人が、あの手この手で高齢者クラブに誘っても全て断っていたのは、そっかー😢そういうことだったんだねー😢と、はじめて理解した瞬間でした。