ひとりぼっちのおじいちゃま

後期高齢者で身寄りがなくて一人暮らしをしている、おじいちゃんとの交流を綴ったボランティア日記です。

後期高齢者のおじいちゃまと知り合って、身寄りがない高齢者の生活が、どんなに大変か身近に感じるようになりました。出会った頃、孤独死を覚悟していたおじいちゃま。残り少ない人生なのは分かっているけれど、残り少ない人生だからこそ、少しでも楽に、日々の暮らしに楽しさを見出してもらえるよう、手助けできたらいいなと思い交流を始めました。尚、交流記作成にあたって、おじいちゃまの個人的な情報を記載しておりますが、記載の許可は、おじいちゃまにいただいています。

しもやけに針を刺す

お昼過ぎ、おじいちゃまから電話が掛かってきました。折り返し電話をすると、開口一番「あのね、しもやけに効く薬ってないかなー?」といいます。引きこもりのおじいちゃまがどうして”しもやけ”に???わけがわからなくて、ひとつひとつ話をきいていくと驚きの連続で、2時間半も電話していました😯

しもやけの原因

年末におじいちゃまの部屋を訪問した時は、エアコンがついていて、とても暖かい部屋でした。なのに、ほとんど外出しないおじいちゃまがしもやけになるなんて全く理由がわかりません😞

おじいちゃまに「どうして家の中にいるのにしもやけになるの?こたつがあるじゃない?」と尋ねると、「えとねーこたつは燃えたからつけてないの。」と驚く返事がかえってきました。確かに、以前訪問した時は、部屋があまりに狭くて、玄関近くに座っていたので、こたつがついていたかどうか確認しませんでした。詳しく聞くと、1年くらい前に、こたつ毛布が燃えているのに気がついて、留守にしている時に火事になるといけないから、それ以来使っていないんだそうです。ただテーブルがないから、テーブル代わりに置いているんだそうです😑

まさか部屋のほとんどを占拠しているこたつがハリボテだったとは思ってもみなかったので、頭が真っ白になりました。

ふと、ベッドで電気毛布を使っていると言っていたことを思い出して、電気毛布は?と尋ねると、つけるとしもやけになった指が痒くなるから使っていないといいます😔他に、床に電気カーペットも敷いてあるそうですが、それも使っていないといいます😔まさかと思い、エアコンは?と尋ねると、エアコンもつけていないといいます😔

・・・なんで😳

正直、しもやけになるほど寒い思いをしているのに、暖房器具を一切使っていないというおじいちゃまの考えがまったく理解できませんでした。でも、おじいちゃま的には、暖かくすると痒くなるから、できるだけ寒くしているという理由でした。冷やせば冷やす程、感覚が麻痺して痒みがわからなくなるということみたいです😨でもそれでは悪化するばかりです。

民間療法

おじいちゃまの話では、子供の頃から毎年、足の指がしもやけになっていたんだそうです。大人になってからも?と確認すると「うん」といっていましたが、ボディビルを極めていた若い頃もそうだったのかどうかは、おじいちゃまの中でも曖昧な記憶になっているようでした。

今年も気がついたら2週間くらい前から痒かったそうで、お風呂場のシャワーのお湯をあててみたり、湿布を貼ってみたんだそうですが、治らないので、私に電話をしたんだそうです。
 
寒くてしもやけになっている指に、更に冷たくなるような湿布を貼るというのにも驚いたのですが、一番驚いたのが、しもやけになっている指を輪ゴムで縛って、指が真っ青になったところに針を刺して黒い血を出しているという発言でした😱出てくる血が黒いから、それが悪い血で出すんだそうです。本当にそれで治るの?と尋ねると、何日か後には治って、またすぐぶり返すといいます。

私も子供の頃は、しもやけによくなっていたので、お湯にすりおろした生姜の汁を入れて、そこにしもやけになった手や足を入れて治すというような民間療法みたいなことをしていましたが、針を刺して血を出すなんていう話は初めて聞きました。

おじいちゃまと電話を切った後、ネットで調べてみると、ちらほら針で血を出して治すという方法があるのを見つけました。しもやけになった箇所に溜まっている血を絞り出すと黒い血がでてきて、それが出尽くすと新鮮な血が流れ出すので、黒い血から赤い血に変わるそうですが、血液の循環が悪いことが原因なので、一時的に痒みが治るだけで、またすぐに同じ状態になり、根本的な解決にはなっていないんだそうです。

さらに、火で炙った針を使うと書いてありましたが、雑菌が残っていたり、刺した穴からバイ菌が入って感染症になる恐れもあるので、おじいちゃまの今の生活環境では、とても危険な方法だと感じました❌

血の巡りが悪い

なんでしもやけになってしまうかを考えると、おじいちゃまの場合、腰が悪くてひきこもりがちな上に、家にいる時は寝ているか、テレビを見ているかだけです。高齢で代謝が落ちてきていることに加えて、一人暮らしで栄養も偏りがちになりビタミン不足、様々な要因が重なっているように思えました。

おじいちゃまに、なんで暖房を使わないのか尋ねると、とても寒かった時期は使っていたそうですが、最近少し暖かくなってきたことと、節約のために使わないようにしているということでした。暖房が一切ない古いアパートの部屋がどれだけ寒いか、想像するだけで寒すぎます😭

対処方法

おじいちゃまと電話をしながら、しもやけの市販薬があるかどうかネットで調べてみると、皮膚科へ行くとビタミン剤と塗り薬を2000円くらいで処方してもらえるという記事を見つけました。おじいちゃまがオロナインをつけていたことがあるといっていましたが、それはあまり効果がないみたいです。

⭕️参考にしたサイト→(しもやけは市販薬で治す?

おじいちゃまに2000円くらいで皮膚科でお薬もらえるみたいと伝えると、「病院にいくほどじゃないからいい」といいます😑無駄に効果がない市販薬をあれこれ試すよりも良いかと思ったのですが、本人が行きたくないというので仕方ありません。

毎年繰り返していることを考えると、根本的な対処方法を考えた方が良さそうな気もしたので、加齢や運動不足、食生活などで血流が悪くなっていることや、針を刺して治すというのは、蚊に刺された時に爪でギューっと跡をつけると痒くなくなる気がするのと同じようなもので治ってはいないんだよという話をすると、納得したようでした。

とりあえずできることで、おじいちゃまがやっていた、お風呂場でお湯をあてるというのは良いことなので、それは続けてみてと伝えると、お湯をかけると痒くなって足が真っ赤になるからとゴネてましたが、血が流れるようにしないと治らないからというと、納得したようでした。

それから、寒くないようにエアコンを入れて、起きている時は電気カーペット、寝ている時は電気毛布を使うようにいいました。電気毛布は、足は寒いけれど、体が汗でびっしょになるから嫌だとゴネていましたが、きくと「強モード」と「弱モード」があるというので、「弱モード」で使うようにいいました。いつも「強モード」しか使ったことがなかったそうです😕

電気代が掛かるとゴネていましたが、エアコンを入れていた時の電気代がいくらくらいか尋ねると、1万円ちょっとというので、それじゃあ寒いのを我慢している時の電気代に、風邪をひいて病院へ行ったり、風邪薬を買った分のお金を足したら、それと変わらないんじゃない?というと「うん」というので、だったら暖かく過ごせる方がいいよねというと、納得したようでした。

それと、テレビを見ている時に、足の指をグーパーして動かしたり、膝から下をマッサージしたりして、血の巡りを良くするようにいいました。おじいちゃまは、手の指はしもやけにならないから関係ないんじゃないかというので、指は、テレビのチャンネルを変えたり、コーヒーを飲んだりして動かしているでしょう?というと、納得してくれました。

暖かくするように伝えていたら、おじいちゃまが「カイロを買ってきて足に貼ったらどうかな?」といい出しました。股引の上から貼るというのです。私も冬はカイロを貼って使うので、どうかなと迷いましたが、加齢で感覚も鈍くなっているはずだし、低温火傷に気がつかない可能性があるような気がしたので、知らないうちに火傷しちゃうかもしれないから止めておこうというと、納得してくれました。

思えば・・・

今も風邪をひいていて、なかなか風邪が治らないと、いつも電話口でいっていたおじいちゃま。原因は、暖房を使っていない事にありました😥アパートを訪問した時の部屋は、暑いくらいだったので盲点でした。電気ポットの3000円もすぐに払えないといっていた事を考えると、節約で暖房を使っていない可能性もあったのに、私が思っているのとは違うことが他にもありそうです。

ここまで話して既に1時間が経過していましたが、まだまだ話は続きました・・・。