ひとりぼっちのおじいちゃま

後期高齢者で身寄りがなくて一人暮らしをしている、おじいちゃんとの交流を綴ったボランティア日記です。

後期高齢者のおじいちゃまと知り合って、身寄りがない高齢者の生活が、どんなに大変か身近に感じるようになりました。出会った頃、孤独死を覚悟していたおじいちゃま。残り少ない人生なのは分かっているけれど、残り少ない人生だからこそ、少しでも楽に、日々の暮らしに楽しさを見出してもらえるよう、手助けできたらいいなと思い交流を始めました。尚、交流記作成にあたって、おじいちゃまの個人的な情報を記載しておりますが、記載の許可は、おじいちゃまにいただいています。

誰も言ってくれなかった

おじいちゃま自身も色々思うところがあったようで「あと2年は生きたい」と突然いいだしました。

あと何年生きたいという希望は、時々おじいちゃまがいう口癖みたいなものなのですが、今日のその言葉は、今のままの生活では、2年すらも生きられるかどうか分からないと身にしみて感じたことから出た言葉のように感じました。
そんなおじいちゃまに、あと100年くらいしたら体のパーツも取り替えられる時がくるかもしれないけれど、今は、今ある体を使っていくしかないんだから、自分の体を自分で虐めちゃだめだよというと「これから大事にする」と真剣に返事をしてくれました。

寝たきりになって病院や施設に入ったら長電話もできないし、頻繁に会いにいくこともできないからね。それに施設に入ってこんなに長電話してたら「いい加減にしろ!」って、みんなから怒られちゃうよというと、おじいちゃまも「そんなの嫌だ!」といっていました。

理由があって結果がある

ストーマの下痢の原因は、キムチとカレーばかり食べていたからだし、風邪やしもやけの原因は、寒くても暖房を一切使わないことと、生活習慣から代謝が落ちてしまっているからで、おじいちゃまの不調には、おじいちゃま自身が作り出している原因があるように思えました。

おじいちゃまに「傾向がわかった!」といって、もう一度、はじめから一つ一つ理由と結果を話していくと、いままで自分では全く気がついてなかったというおじいちゃま。そんなこと誰もいってくれなかったし、私が指摘して、初めて気がついたんだそうです。子供じゃあるまいし、なにひとつ気が付かなかったなんて・・・と思うけれど、それが年を取るということなのかもしれません。

大腸癌の手術からもうすぐ5年が経ちます。5年もの間、頻繁に下痢をしていて、定期的に下痢止めと便秘薬を処方してもらいに行っているのに、S病院の主治医が、何もいわない事にも疑問を感じました。おじいちゃまにも、その点を指摘すると、食べ物は何を食べてもいいといわれていたし、何かアドバイスされたことは一切なかったそうです。

おじいちゃまには、そういうところがS病院がヤブだと感じるところだから、いい加減病院を変えようよというと、今度こそは本当に、5年目の検査が終わったら最後にすると約束してくれました☺️

いくらかかっているのか?

下痢止めや便秘薬を処方してもらうと、1回7万円くらい掛かっているというおじいちゃま。7万円も?!というと、「えとねー7000円くらい」といい直すおじいちゃま。おじいちゃまがいう医療費は、自己負担額ではない金額をいうことが多いので、ちゃんと確認しないと本当に支払っている金額がいくらなのか分からなくなる時があります😕

それでも7000円は大きな額です。

おじいちゃまに、ちゃんとした食事をしたら、下痢止めも便秘薬も要らなくなって7000円掛からなくなるよね。そしたら7000円分、美味しいご飯を食べれるじゃない?体も辛くなくなるし、良いことばかりだよというと、目か鱗が落ちたという風でした👁

本当に助けてくれる人

ふと、おじいちゃまが「自分は恵まれていると思う」といいました。情けない気もするし、何かをしてもらおうとも思わないけど、私という気にかけてくれる存在がいるから、自分は恵まれているというのです。

毎日、腰の激痛に悩まされて、家族はバラバラ、ほとんどの時間、ひとりテレビをみて過ごすだけの毎日のどこが恵まれているのか?恵まれるという意味について考えてしまいます。

するとおじいちゃまが、以前、知り合った女性の話をしてくれました。何かあったらいつでもいってと、電話番号を交換したことがあるそうです。それで具合が悪かった時、いざという時はタクシーを呼んで病院へ行こうと思って、タクシー会社の電話番号を教えてもらいたくて電話を掛けたんだそうです。だけど、どんなに電話をしても出てくれなくて、やっと出てくれたと思ったら、男の人が出たから無言で切ったんだそうです。

もしかしたら、何かの理由があって電話に出れなくて、家族の誰かが代わりに電話にでただけなのかもしれません。だけど、おじいちゃまの中では、助けてくれるといったのに、いざ頼ろうとしたら、男性を電話に出させて助けてくれなかったということになっていました。

おじいちゃまが、孤独死を覚悟していた原因がまたひとつ分かったような気がしました。